菅沼 研一  Kenichi Suganuma

2013.11.11(mon)-11.16(sat)


2010年の個展





《Satellite》 高錫銅合金 70×135×75mm


作家コメント:
前回の発表との間に私の郷里では震災がありました。あの穏やかな水平から非情な牙と化し、
人の全てを飲み干していった自然の現実に、それまでの「身辺の自然を対象に造形の思考を進めたい。」とした、
私の思惑は大きな虚無の穴に放り込まれました。制御できない自然と狂わされた人生。
個の在りように多くの作家が困惑したように、「今の私はこんな事をしていていいのだろうか。」と、
手だけを働かせ、散漫な思考で自問する数ヶ月でした。

鋳金は火の仕事です。その中の鋳込みは、金属の一瞬の変容を火に託す、最も重要な作業です。
それ迄の仕事の結果を天明として告知される時でもあります。火への畏敬故の制作プロセスの信頼性、
そこに関わる限界と幸せ、近代からのアートの道筋を脇にした私の場所の確認が、
はばかられた火の扱いを再始動した自答でした。




プロフィール:

1954年 岩手県生まれ
1978年 東京芸術大学美術学部工芸科卒業
1980年 東京芸術大学大学院美術研究科鋳金専攻修了

<個展>
1980年 岩手自治会館(岩手)
1987・92年 ギャラリー山口(東京)

1989年 みゆき画廊 (東京)
1990・93・95・97・99年 ギャラリー和田(東京)
1992・03・95・97年 集雅堂ギャラリー(大阪)

2001年 
2001/第14回名古屋コンテンポラリーアートフェア」名古屋市民ギャラリー(愛知)

2010年 ギャラリー58(東京)

<グループ展>
1990年 北の鉄文化展岩手県立博物館 招待出品 (岩手)
1991年 「April 1st 展」ギャラリー和田 (東京)
      「サントリー美術館 大賞展 '91」 入選  サントリー美術館 (東京)
1994年 「現代日本の美術」展 国立国際美術館 (大阪)
1996年 「Art Metal of Japan展」 Nationa Ornamental Metal Musium (米国・テネシー)
      ニューヨーク州立大学 The College Art Gallery (米国・ニューヨーク)
1998年 「第3回現代鋳鉄美術国際会議」 招待出品 ジョンソンアトリエ (米国・ニュージャージー)
2002年 「東日
本-彫刻 (Sculptors of Eastern Japan 39の造形美) 東京ステーションギャラリー(東京)
2008年 ギャラリー和田(東京)



<パブリックコレクション

国立国際美術館・岩手教育委員会・National Ornamental Metal Musium(米国・テネシー)
東北大学工学部金属工学科記念館(宮城)