《消失点・中村宏》
 VANISHING POINTS HIROSHI NAKAMURA

2013.10.7(mon)-10.19(sat)
 日曜休廊

アーティストトーク 10月12日(土)15:00-16:00  参加費無料・予約不要

2011年の個展
2010年 前衛★R70
2012年 自画像★2021


《三点消失・1》 キャンバス、アクリル 1167×803mm 2013年


《三点消失・2》 キャンバス、アクリル 803×1167mm 2013年



自らを「絵画者」と名乗る中村宏は、1950年代からおよそ60年にわたり
「モンタージュ絵画」「観念絵画」「タブロオ機械」「絵図連鎖」など独自の方法論によってタブローを理論化し、
絵画が否定された時代においても揺るぎなく自らの絵画表現を切り開いてきました。
このたびの展覧会では、2011年の個展で発表した「一点消失」に続く
「二点消失」(150号他)、「三点消失」の新作を発表いたします。


テーマの「二点消失」、「三点消失」は、遠近感を出すための古典的絵画技法の一つです。
しかし中村は遠近法としてではなく、技法をモチーフに変換し、絵画のさらなる深化を図ろうとしています。
消失点に向かう遠近法の構図と平板なグリッドが同居し、奥行きと平面性の相反する要素がせめぎ合う画面に、
記号化された具象性と、ストーリー性が何層にも交錯します。

昨年ニューヨーク近代美術館で開催された「TOKYO 1955-1970」展や、
9月から森美術館で開催される「六本木クロッシング」で作品が出品されるなど、
80歳を過ぎてますます活躍の場を広げ、無類の構想力と論理で
絵画の可能性を探求し続ける、中村宏の最新作をぜひご高覧ください。



プロフィール:

1932年静岡県浜松市生まれ。日本大学芸術学部美術学科に学ぶ。

主な展覧会
1953年 「第1回ニッポン展」 東京都美術館 以後第7回展まで出品
1954年 「第7回日本アンデパンダン展」 東京都美術館 以後第14回展まで出品
1960年 「超現実絵画の展開」 東京国立近代美術館
1970年 「第1回齣展」 東京都美術館 以後現在まで毎年出品
1974年 「日本-伝統と現代 〔Japan:Tradition und Gegenwart〕」 デュッセルドルフ市立美術館、ドイツ
1981年 「現代美術の動向T・1950年代-その暗黒と光芒」 東京都美術館
1985年 「再構成・日本の前衛芸術 1945-65」 オックスフォード近代美術館、イギリス ほか
1986年 「前衛芸術の日本 1910-70 [ Japon des Avant Gardes 1910-70 ] 」ポンピドゥ・センター、パリ
1988年 「日本のルポルタージュ・アート-絵描きがとらえたシャッター・チャンス」 板橋区立美術館
1991年 「芸術と日常−反芸術/汎芸術」 国立国際美術館
1997年 「ねりまの美術 ’97 池田龍雄・中村宏」 練馬区立美術館
1998年 「戦後日本のリアリズム 1945-1960」 名古屋市美術館
2002年 「20世紀。美術は虚像を認知した」 平塚市美術館
2007年 「中村宏│図画事件 1953-2007」 東京都現代美術館/名古屋市美術館
2010年 「タブロオ・マシン〔図画機械〕中村宏の絵画と模型」 練馬区立美術館
2010年 「前衛★R70展 -70歳未満出品不可・完全最新作-」 ギャラリー58(東京)
2011年 「一点消失・中村宏」 ギャラリー58
2012年 「自画像★2012」 ギャラリー58
2012年 「美術にぶるっ SECTION2 実験場 1950s」 東京国立近代美術館
2012年 「TOKYO 1955-1970  A NEW AVANT GARDE」 ニューヨーク近代美術館
2013年 「六本木クロッシング2013 アウト・オブ・ダウト展」 森美術館
タケミヤ画廊、サトウ画廊、村松画廊など 1953年から2013年まで個展56回


主な作品集・著書
『中村宏○画集 望遠鏡からの告示』 現代思潮社、1968年
『機械学宣言 地を匍う飛行機と飛行する蒸気機關車』(稲垣足穂との共著)仮面社、1970年
『機甲本イカルス』(稲垣足穂との共著) 呪物研究所、1973年
『呪物記』 大和書房、1973年
『中村宏作品集★車窓篇』 深夜叢書社、1980年
『中村宏画集 1953-1994 タブロオ機械』 美術出版社、1995年
『図画蜂起 1955-2000』 美術出版社、2000年
『絵画者 1957-2002』 美術出版社、2003年

パブリック・コレクション
東京国立近代美術館、国立国際美術館、東京都現代美術館、練馬区立美術館、
板橋区立美術館、浜松市美術館、宮城県美術館、栃木県立美術館、徳島県立近代美術館、
愛知県美術館、名古屋市美術館、高松市美術館、横浜美術館、刈谷市美術館、
千葉市美術館、いわき市立美術館、青森県立美術館、郡山市立美術館、豊橋市美術博物館、
うらわ美術館、東京ステーションギャラリー ほか