武井 文 Aya Takei
2008.2.4(Mon)-2.9(Sat)


1985年 福井県生まれ
2007年 福井大学教育地域科学部 美術教育サブコース 卒業
現  在 福井大学大学院教科教育専攻 美術教育専修 在学中

2007年 武井文展「放置○○○中」(福井 ギャラリーみちくさ)
      アンチリアル(下北沢 小劇場『楽園』)

【作家コメント】
「有名になりたい!」
そう言い出してから何年経っただろう。
22年と数ヶ月しか生きてないけど、それでも昔から思いつづけている。
小さい頃、野球選手になりたいって言ってたな。(野球したことないのに)
小学生の時はラジオのDJになりたかった。(しゃべるのが好きだったから)
でも、高校はいりたての頃は、アーティストって言ってた。(たぶんミュージシャンまで含まれる)
じゃあ今は?
美術で有名になりたい…のかな。とりあえずテレビに出るような人になりたいんだと思う。
なんてったって有名人といえばテレビ出演ってかんじだし、テレビに出るとさらに注目されるし、
たぶんいつか私が死んだって私がいた、ということははっきり残る。
すばらしいじゃない!記念碑とかたててもらっちゃったり!
 
もーそこまでくると、私が生きてても死んでても大差なく愛されることができるハズ。
そう考えるようになったのは、自分の作品が「猫ちゃん」に見えた瞬間からだと思う。
私は動物が苦手。言葉が通じないから。気持ちも通じ合えない気がしてしまうから。
自分の愛すべき作品が「猫ちゃん」に見えたとき悲鳴をあげそうになった。怖くて。
自分のすごく近くにいた、よく知っている存在がいきなり嫌なものに変わった気がして。
ほんとは何にも変わってないのになぁ。
 
その時の感覚がおもしろくて、今回は動物たちをつくった。
彼らが道で死んでいるのを見かけると「誰かどかしてくれないかなー」って思う。
でも「埋めてあげた方が良いのかな」とも思う。
彼らが死んだとき、私の頭のなかで「動物たち」がモノに変わろうとする。
でも、何も変わってないと思いたい気持ちもある。生きてても死んでても、彼らは彼らだ。たぶん。
 
ペットの猫ちゃんも、車に轢かれた知らない動物もふわふわのウサギさんも、その毛で作ったかわいいバッグも
どれも彼らに違いないのに、なんでこんなに違ってみえるんだろう!
とはいえ、動物保護だとか、そんなりっぱなことは一生言えない。私は自分がおもしろいと感じたことを、もっと体験したいだけ。
そして、いろいろなものをなるべく等しく愛したいだけ。きっと、自分がたくさんの人やものに愛されたいから。



「たしかに。」  FRP・油彩  200mm×340mm×250mm




「それまで。」   FRP・油彩  720×950×950mm




左 P    FRP・油彩  890×470×270mm
右 Y    FRP・油彩  870×460×230mm




奥   B    FRP・油彩  990×310×290mm
手前 「これから。」  FRP・油彩  1270×950×700mm



福井新聞 2008年1月31日(木)



福井新聞 2008年2月7日(木)